どの華よりも美しく、
  どの華よりも甘い、
  永遠に咲き続ける、俺だけの華。



  ENDLESS STORY
        第十五章



 シーツに包まり、二人は唇を重ね合う。
 の体を抱え込んで、カカシは逸る気持ちを口付けに込めた。
 長く、そして深く・・・。
 そうでもしないと、今すぐにでも、の体を貫いてしまいそうだから。

 唇が離れると、は大きく息を吸い込み、閉じていた瞼を開いた。
 目の前には愛しそうに見つめる異なる色の二つの瞳。

 「カカシ・・・。」
 「ん、な〜に?」

 カカシはの顔を眺めながら髪を撫でた。

 「なんかね、呼びたくなっただけ。」
 「じゃ、もっと俺を呼んで。」


 写輪眼のカカシではなく、
 コピー忍者のカカシでもなく、
 只、カカシと・・・。


 添え物ではない名を呼ぶ声は心に響く。

 飾る物の無い名前を呼んでくれるの首筋に、カカシは顔を埋めた。

 「・・カ・・カシ・・・。」

 耳元で響く甘いの声を聞きながら、舌を這わす。
 肩に添えていた手を滑らせ、白く輝く胸を覆い、色付く頂を指先で転がすと、
 の声は色を足していく。

 「ん・・・カカ・・シ・・」

 カカシはもう一つの頂を口に含み、吸い上げる。
 胸の中心から全身に広がっていく快楽の波紋は、の蜜を滴らせ、
 その場所への刺激を求めるように自然と足が動く。

 「丸ごと全部、俺にちょうだい。」
 「えっ?ひゃ・・・あっ、あっ・・・」

 頂を含んでいた筈の唇は、何時の間にか蜜の滴る場所へと移動し、溝に沿って舐め上げる。

 「・・・や・・・だめ・・はぁ・・・っあ。」

 間近で見られる事の恥ずかしさと、初めての感触には拒絶の言葉を吐く。

 「本当にいや?美味しいよ、の此処」

 指で齎される刺激とは別の、柔らかくぬるりとした触感は不快ではなくて、むしろ快感。
 それはカカシによってだから、羞恥心は抱くけれど、嫌悪は感じられなかった。
 
 「もっと、俺にちょうだいね。」

 カカシはの膝を立たせ左右に割り開く。
 覆う花弁が広がると、ひんやりとした空気が流れ込んだ。
 そして甘い蜜の溢れる華芯に口付ける。

 「んっ、あっ・・・カカ・・シ・・・」

 拒絶の言葉が、己を呼ぶ声に変わると、花弁の一枚、一枚に舌を這わせ、華芯を舐め上げる。
 自分の為にだけ咲く華、自分によって溢れる甘い蜜をカカシは味わった。

 「あ・・・あっ、あ・・・」

 華の上にある小さな芽を舌先で突付き舐めれば、の声は一層甘美なものへと変わる。

 「ん、あっっ・・・ん、んっ、あ・・・」

 小さな芽を口の中で転がす度に、花弁たちはざわめき蜜が零れ落ちる。
 カカシの指は溢れた蜜を纏い、静かに中心へ埋めた。
 ゆっくりと開かせた華の中心はカカシを拒む事なく、迎え入れる。
 指を内部で動かす度、水面を軽く撫でるような音が広がる。
 カカシの奏でる音の波が音量を上げると、それに合わせての歌声も上がっていった。

 「はぁっ・・・あっ、あぁぁっん。」

 階段を登り始めると、カカシの指と舌の動きが止まって、降り始めると、また登らされる。
 その繰り返し。
 
 「・・・んっっ・・あっ・・カカ・・シ・・・も・う・・・はぁあっん。」

 カカシは蜜の付いた自分の唇を舐めると、体勢を変え、の華芯を貫いた。

 「あぁぁっん!!」


 今までは小さな芽による刺激で、軽い高みに昇って落ちていた。
 カカシを迎え入れ、カカシがその瞬間を味わうまで、与えられる刺激に身を委ねる。
 カカシを受け入れている事、カカシと一つになっている事への幸福感、それで十分だった。
 でも最近は、カカシが貫く度、階段を上がる度に、何か迫って来る。
 それが何なのか、まだ分からなくて・・・。


 の唇に軽く口付けると、更に深く差し込む。
 
 「んっ、あぁああ!!」

 時には腰を回し、華全体と、内部の壁を擦り合わせ、そして角度を変え何度も貫いた。
 カカシの腰が激しさを増すと、の表情と、歌声が変化する。

 「はっ、はっ、んっく・・・。」

 息が思うように出来ない。
 吸い込むばかりで、上手く吐き出せない。
 中心を衝かれる度に、大きな波に攫われそうで、強い風に飛ばされそうで、
 はカカシの腕を強く握り締めた。

 「ぁあっ!・・・はぁっう・・・」

 カカシを迎える為に開いていた華の中心は、次第に狭まり、カカシを締め付ける。
 止まない律動を受け、の全身に力が篭った。

 「・・・カ・・カシ・・・な・・んっ・・」


 何かが、違う。
 今までと・・・。


 はその何かを掴みかけていた。

 「一緒にいこうね、。」


 ――まるごと全部、俺にちょうだいって言ったでしょ。


 カカシの優しく響く声が降って来る。
 その言葉を合図にカカシの動きはより早く、激しさを増す。

 自分の鼓動が聞こえた。
 ドクン、ドクン、ドクン・・・
 その鼓動は早く、一つ打つ毎に何処かに攫われる。
 全身が硬直して、駆け上がる。
 心臓の音に合わせて、全身が震えると、ふわっと抜けた。
 大きく息を吸い込み、その浮遊感に身を任せる。
 その間カカシを飲み込んでいた華は激しい収縮を繰り返し、カカシを同じ場所へと導いた。



 ふわり、ふわり、トクン、トクン。
 心臓の音が一つする度、高みに昇った魂が降りてくる。
 ふわふわと漂いながら、自分の体に戻って行く。
 心臓の音も耳に届かなくなり、荒れた息が整った頃、は目を開けた。
 
 「おかえり・・・。」

 視線を上にずらすと自分の隣に横たわり、頬杖をつくカカシの姿。
 の頬に手を当て、親指で軽くなぞる。

 「・・・ん・・・うん・・カカシ・・」
 「綺麗だったよ、。」
 
 甘く絡む身体、恍惚の表情を思い出すと、今吐き出したばかりだというのに、
 カカシの血液は凝縮していく。


 押さえが効かないねぇ・・・どうも。
 ま、あんな姿見ちゃったら無理もないケド。

 ――、聞かせて。

 
 いつも自分が求めると、それに答えてくれる
 でも今日は与えるばかりでは、なかった筈・・・。

 「どうだった?」
 「・・・ん?」
 「初飛行」
 「え・・・あ・・・えっと・・・」
 「の口から聞きたいんだよね。
  いつも俺ばっかり気持ち良くなっちゃってるでしょ。
  ね、教えて。」

 はくるりと向きを変え、カカシに背を向ける。

 「・・・きもちよかった・・・

 小さな声でポツリと言った。

 「真っ赤だよ。」

 カカシはの髪をかき上げ、耳に言葉を落とす。

 「カカシが変な事言わせるからでしょう・・・。」
 「変な事じゃないよ、大事な事。
  のいった時の顔、可愛かったよ。」

 一体どんな顔をしていたのかと思うと、更に全身に火が走る。


 いく・・・?
 あれが『いく』という感覚なんだ・・・。

 身体の中から魂が引き摺り出されて、
 ぽんっと重力のない空間に放り出される。
 ふわふわと漂い、そして元の場所に降りて行く。

 だからカカシは、おかえりって・・・。

 
 その時、ふと、さっき自分の言った言葉を思い出した。
 寂しかったからと、つい言ってしまった言葉。
 カカシは嬉しそうに受け止めてくれたけど。

 『会えなくて辛かった』
 『会えなくて寂しかった』

 本音を語る言葉達。
 言われて嬉しい反面、チクリと胸を刺す言葉。
 もうこの言葉を本気で口にする事はしない。
 だってお互いが帰る場所。
 これから二人で築き上げて行く未来がある。


 「今度、また見せてね。」
 
 カカシはの手を優しく握りながら囁いた。

 「・・・何度・・・で・・も・・
 「ん?」
 「何回でも見せてあげる。」
 「嬉しい事言ってくれるね。煽られちゃうよ。」
 「そういうつもりじゃないんだけど・・・。」
 「の事は何度食べても、食べ尽くせないからね。」

 天を仰ぐ様に向きを変えられると、カカシからキスの雨が降って来た。


 何処に行っても、私は必ずカカシの元へ帰る。
 ――永遠に。
 
 

BGM でも・・・

はい、まず最初にごめんなさい;;
う〜ん・・・成長という課題で書いてみたんだけれども・・・
どうだったろうか・・・。
人それぞれな部分だし;;
我ながら情けないです;;
暖かい拍手お待ちしております。